中野・シャーペッグ・ミュージック・カンパニーのボイストレーナーLEE(@BRAD_LEE19)です。
「声帯の筋肉を鍛えて、質の高い声を出せるようにしよう」
あなたはこういう教えを受けた事はありますか?
世の中にはこういうメソッドを掲げて生徒に教えているボイストレーナーが多いようですが、これは完全に間違いです。
正しい方法で訓練を行わなければ、声帯はただ消耗するだけで、どんどん声が出なくなってしまいます。
では何故声帯の筋肉は鍛えられないのか?
今回はこれをテーマにお話をしていきたいと思います。
なぜ声帯の筋肉は鍛えられないの?
そもそも声帯とは、筋肉では無いからです。
これは非常に多くの人達が勘違いをしている事ですが、発声を学ぶ上での根本的な知識になりますので、必ず覚えておくようにしましょう。
声帯の正体って一体なに?
声帯とは喉頭の中央部にある発声器官で、靭帯と筋肉を覆う粘膜のひだです。
なので声帯自体を鍛える事は不可能だという事です。
もちろんこの説明の通り、声帯の周りは筋肉に覆われてるので、そこを鍛える事は可能です。
しかしどちらにせよ「喉の筋肉を鍛える事で、質の高い声を出せるようにしよう」という考えは、決して良い考え方ではありません。
なぜ喉の筋肉を鍛えようとしては駄目なの?
それは逆に声帯を痛めてしまう危険性があるからです。
そもそも正しい発声練習とは、喉を意識して行うものではありません。
もちろん生理的には喉を通って声が発せられるのですが、意識しなければいけない所は喉では無いという事です。
それをもし喉の筋肉を鍛えようとして、喉を意識した発声練習を行っているとしたら、声帯にとって非常に負荷がかかる練習をしているという事になります。
それでは当然声は育ちませんし、歌が上達する事も無いでしょう。
ではどこの筋肉を鍛えれば上達するの?
歌は正しい発声を心掛ける事で、自然と歌に必要な筋肉が鍛えられるものです。
なので「筋肉を鍛えて上達を目指そう」という考え自体を捨てましょう。
繰り返しになりますが、大切なのは正しい発声を心掛ける事です。
そしてそれを意識しながら、なるべく毎日練習をする事です。
正しい発声をする為には、正しい呼吸を覚え、腹、脇腹、背中で支えるという技術を覚えるようにしましょう。
呼吸と支えに関する技術的な説明はこちら
これを覚える事により自然と支えの筋肉が鍛えられ、結果的に声帯周辺の筋肉も鍛えられるようになります。
なので声帯周辺の筋肉は「狙って鍛えるものじゃない」という事を必ず覚えておいて下さい。
※支えの筋肉も同様です。
そもそも「声は声帯から出るから、声帯とその周辺の筋肉を鍛えれば上達する」という考えは、非常に浅はかな考え方です。
歌が本当に上手くなりたいのであれば、体の使い方から丁寧に覚え、基礎を徹底的に磨く事が大切です。
まとめ
歌に必要な筋肉は、正しい発声を心掛ける事で自然と鍛えられるもの
喉で操作をするメソッドは基本的に全て間違いですよ!
LEE
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