【ボイトレ】お腹を凹ますのと張るのはどちらが正しい?【正しい息の吐き方】




一問一答!

中野・シャーペッグ・ミュージック・カンパニーのボイストレーナーLEE(@BRAD_LEE19)です。

今回も読者様のご質問にズバズバ答えていきます!

 

今回のご質問はこれ!

名前: たま1980_12

性別: 男性

相談・質問のタイトル: 腹式呼吸を使った歌い方(お腹を凹ます?力を入れる?)

相談・質問の内容: こんばんわ。
一年ぐらい独学でボイトレを行っているものです。
いろいろなサイトやyoutubeを見ていて最近こちらの情報を見つけとても参考にさせていただいております。
声帯の開け閉めや喉を開ける感覚は、たぶんつかめてきていると思うのですが、腹式呼吸で悩んでおります。特にyoutubeでいろんなボイトレ法を見ていて思うのですが、腹式呼吸を使って歌う時に、①お腹を凹ませて息を送る、②お腹に力を入れて(張って)息を送るという二つのやり方を見ます。どちらが正しいのですか?
自分の声を録音して聴くと声が安定していないので、効率よく息が使えていないように思うのですが、いまいちうまくいきません。腹式呼吸自体はできてると思いますが、それを歌声にいかせません。強く吐く、細く吐く、息の量をコントロールするという言葉もよく耳にしますが、正直どれが正しいのか、どう使いわければ良いのかわかりません。
アドバイス宜しくお願いします。

たま1980_12さん、ありがとうございます!

 

YouTubeや他のサイトは、ポップステクニックについての情報が多いですが、生理的に正しい発声についてはほとんど情報がありません。

特に体の使い方や、お腹の使い方については色々な情報が飛び交っているので混乱しますよね。

 

では、正しい発声をする為には、お腹を凹ます事が正しいか?

もしくは張る事が正しいか?

細かいご質問も含めてお話をさせて頂きます。

 

お腹を凹ますのと張るのはどちらが正しい?

正しい発声を覚える上でまず覚えなければいけないのは「どのように声を出すか?」という事では無く「どのように体を使うか?」という事です。

これをまず覚えなければスタートラインに立てません。

では正しい体の使い方を習得する為には、何から覚えなければいけないか?

それは、呼吸支えです。

 

正しい呼吸と支えを覚えよう

正しい呼吸と支えを覚える為には、まずお腹、脇腹、背中を基点に、息を丹田まで深く吸う事が大切です。

【丹田(たんでん)とは?】

へその下の所で、下腹の内部にあり、気力が集まる所とも言われています。

 

そしてこの膨らんだ息が、歌いながらしぼまないように維持をしなければいけません。

呼吸と支えに関する技術的な説明はこちら

【ボイトレ】支えの技術を徹底解説【声を体で支える方法】

2016年7月8日

支えを覚える為の具体的な練習法はこちら

【ボイトレ】支えと声を早く繋げる練習法【基礎作りの徹底】

2016年10月1日

 

なので「お腹を凹ますのと張るのはどちらが正しいか?」というご質問については、どちらかというと張る方が正解です。

しかし大切なのは、お腹より背中です。

 

なぜお腹より背中が大切なの?

そもそも「なぜ支えが大切か?」という根本的な話になりますが、支えとは、低音域から高音域まで喉が締まらないようにする為の技術です。

喉が締まらないようにする為には、喉頭(喉仏)を下げ、軟口蓋を上げる事が大切なのですが、その状態を維持する為には、腰から背中、そしてうなじを開ける意識が大切です。

腰や背中がしぼめば、自然とうなじも閉じてしまい、その結果喉も締まってしまうという事です。

喉頭を下げる為の技術的な説明はこちら

【ボイトレ】喉頭を下げる事で生まれる3つのメリット【喉頭を下げて歌う方法】

2016年12月11日

軟口蓋を上げる為の技術的な説明はこちら

【ボイトレ】軟口蓋を上げて鼻腔共鳴を手に入れよう【喉声を改善する方法】

2016年7月16日

 

お腹を凹ますのは間違い

このような事をご理解頂ければ「お腹を凹ます事がなぜ駄目なのか?」という所までご理解頂けると思いますが、要するにお腹を凹ませて歌うという事は、全く支えの技術を使わないという事に繋がります。

そうなるとどうなるか?

そうなると当然喉が締まります

特に高音域で喉を開けて歌うという事は不可能になります。

 

喉を締めて出す事の危険性

生まれつき喉が強い人で、喉を締めながら歌い続けてる人というのはたくさん存在します。

そういう人達にとって支えというのは、無縁の価値観でしょう。

しかしそれは本当はとても危険な事です。

その状態でそのまま歌い続ければ、声帯を壊してしまう危険性もあります。

 

声帯とは、喉頭を下げる事(喉を開ける事)で声帯が引っ張られ、リラックスした状態で使えるようになります。

しかし喉頭を上げて、喉を締めて歌っていると声帯に過剰な負荷がかかり、声帯の消耗を早めてしまいます。

ポップスやロックを歌う場合は、喉を締めて出す技術も必要ですが、そればかりに頼って歌っていると将来声が出なくなってしまいます。

なので必ず喉を開けて、体に負荷をかけながら歌うという技術を覚えるようにしましょう。

喉を開ける為の具体的な説明はこちら

 

正しい息の吐き方

強く吐く、細く吐く、息の量をコントロールするという言葉もよく耳にしますが、正直どれが正しいのか、どう使いわければ良いのかわかりません。

それではこれらの疑問を一つずつ見ていきましょう。

 

強く吐く

強く吐くという事はあり得ません。

なぜなら声とは、先程も申し上げたように、お腹や背中に負荷をかけながら出すものだからです。

それはお腹や背中で我慢をして出す感覚であり、決して喉を利用して強く吐き出すものではありません。

 

細く吐く

これはある意味では正解です。

なぜなら我慢をして声を出す時の感覚というのは、決して太いものでは無いからです。

誤解をして頂きたく無いのは、喉で細くするという事ではありません

あくまで喉を開けた状態で、お腹や背中を使って支える事ができるようになれば、自然と息の流れが細く感じられるようになるという事です。

 

息の量をコントロールする

これも正解です。

というか体を使って歌を歌うというのは、全てコントロールで成り立つものです。

しかし難しく考える必要はありません。

まずは支えを正しく理解し、声(息)をその上に乗せる技術を覚えれば、自然とコントロールも出来るようになります。

 

まとめ

正しい発声を行う為には、お腹を凹ますのでは無く、お腹や背中で支えを作り、それを維持する事が大切

 

独学とは、自分で都合良く解釈し、自分で勝手に納得してしまうものです。

厳しい話かもしれませんが、独学で技術を得る事は不可能です。

歌が本当に上手くなりたいのであれば、正しい耳を持ってる人に声を聴いてもらいながら学ぶようにしましょう。

 

LEE




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