一問一答!
中野・シャーペッグ・ミュージック・カンパニーのボイストレーナーLEE(@BRAD_LEE19)です。
今回も読者様のご質問にズバズバ答えていきます!
今回のご質問はこれ!
名前: たくわん
性別: 男性
相談・質問のタイトル: 腹式呼吸について
相談・質問の内容: 私の知り合いがボイトレに通っているんですが、そこの先生が「鳩尾(みぞおち)の下、上腹の辺りが膨れ上がる腹式呼吸の仕方が1番良い」と言われているそうですが、それは本当なんでしょうか?
良ければ教えてほしいですm(_ _)m
たくわんさん、ありがとうございます!
「腹式呼吸について」という事ですが、やはりこれは歌を学ぶ人達にとっての重要なテーマのようですね。
しかしそもそも私のブログでは「腹式呼吸は正しい」とは一言も述べてない事をあなたはご存知でしょうか?
なぜ腹式呼吸という考え方について私が否定的か、本題は後回しになりますが、まずこの事について少しお話させて下さい。
腹式呼吸という考え方はやめよう
先程も申し上げた通り、私は腹式呼吸という考え方は良くないと思っています。
というよりもっと正確に言うと、声のプロを目指す人間が使う言葉では無いと私は思っています。
腹式呼吸というのはとても便利な言葉なので色々なシーンで使える言葉です。
それは歌だけでなく、芝居、スポーツ、美容や健康など、あらゆるシーンで腹式呼吸という言葉は用いられています。
しかしプロの歌手を志す人間にとって「腹式呼吸」という考え方は、悪影響を及ぼす可能性すらあると、私は言いたいのです。
なぜ腹式呼吸という考え方は歌い手にとって悪影響なの?
それはいつも申し上げている通り、呼吸はお腹だけに入れるものでは無いからです。
もちろん息というのは肺にしか入らないのですが、その息をどこに入れるかという意識で声は変わってくるという事です。
正しい声を発するというのは、お腹だけでなく、脇腹や背中の意識も大切です。
背中の使い方に関する具体的な説明はこちら
言葉のパワーというものは凄いもので、「腹式呼吸」という言葉が存在するだけで、初心者は「息はお腹で吸うもの」と勘違いをしてしまいます。
なので本音を言うと「早くこんな言葉無くなれば良いのに」と私は思っています(笑)。
声楽の世界で「腹式呼吸」という言葉は死語
ちなみに声楽の世界で「腹式呼吸」という言葉は一切使いません。
私は音大の声楽科に四年間通っていましたが、一度も「腹式呼吸」という言葉を聞いた事はありませんでした。
もはや声楽の世界では完全に死語です。
「鳩尾の下、上腹の辺りが膨れ上がる呼吸の仕方が1番良い」という考え方は正しいの?
さて、本題に入ります。
「鳩尾の下、上腹の辺りが膨れ上がる呼吸」は正しいのかどうなのか?
答えはノーです。
なぜなら先程も申し上げた通り、呼吸は背中が大切だからです。
そもそもなぜ息を入れる位置にそこまでこだわらなければいけないの?
それはその位置で息(声)を支えなければいけないからです。
支えに関する具体的な説明はこちら
その支える位置が鳩尾付近だとしたら、確実に喉の奥は開きません。
息は背中に入れて支える事で、うなじや、後頭部が開くようになります。
なので背中で息を吸えるようにする事が非常に大切なのです。
おそらく私がどれだけ言っても、永遠に「腹式呼吸」という言葉は無くならないでしょう。
しかしせめて歌い手を目指す方々は、この言葉のニュアンスに引っ張られないよう、背中で息を吸い支える事を覚えて頂きたいと思います。
まとめ
息はお腹だけで無く、背中の意識も大切
呼吸から覚えなければいけない事は間違いありませんからね!
呼吸(ブレス)に関連する動画も是非ご覧ください♫
LEE
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