【ボイトレ】輪状甲状筋と閉鎖筋を鍛える練習はやめよう【声帯周りの筋肉について】




一問一答!

中野・シャーペッグ・ミュージック・カンパニーのボイストレーナーLEE(@BRAD_LEE19)です。

今回も読者様のご質問にズバズバ答えていきます!

 

今回のご質問はこれ!

名前: せぶんKAZUMA

性別: 男性

相談・質問のタイトル: 『【ボイトレ】声帯を鍛える事は不可能【正しい筋肉の鍛え方】』の記事を受けて質問です

相談・質問の内容: いつもブログ読ませていただいてます。今回の話題で気になったので質問させていただきたいのですが、声帯を鍛えることはできないということでしたが、エッジボイスで声帯周辺の閉鎖筋を鍛えるというのは間違いでしょうか?

せぶんKAZUMAさん、ありがとうございました!

 

まずはこちらの記事からご覧下さい

【ボイトレ】声帯を鍛える事は不可能【正しい筋肉の鍛え方】

2016年10月13日

 

仰るとおり一般的にポップスのボイトレメソッドには「閉鎖筋を鍛える事で質の高い声が出せるようになる」「輪状甲状筋を鍛える事で高音が出しやすくなる」等といったものがあります。

しかしこれを鍛える事で本当に質の高い声が出せるようになるのか?

今回も声帯の筋肉と発声についてお話をさせて頂きます。

 

輪状甲状筋と閉鎖筋を鍛える練習はやめよう

まずご質問についてお答えしたいと思います。

私は輪状甲状筋を鍛える練習も、閉鎖筋を鍛える練習もした事が無いので「エッジボイスで声帯周辺の閉鎖筋を鍛える事が出来るのか?」と聞かれても、分かりません

私自身そのような教育は受けた事が無いし、生徒さんにそのような訓練をさせて統計を取った事も無いので、この問題についてははっきりとは分かりません。

 

なぜそのような教育を受けて来なかったか?

私は今まで多くの一流歌手に歌を学んできましたが「エッジボイスで声帯周辺の筋肉を鍛えろ」などと仰る先生には一度も出会った事はありません。

それはなぜか?

それは当然、それでは質の高い声は出せるようにならないからです。

 

私は音大の声楽家を卒業して、今でも声楽家として舞台に立っていますが、声楽の世界でこのような単語が飛び交う事は100%ありません

声楽家の常識で「喉の筋肉を鍛えて質の高い声を出せるようにしよう」というのは絶対にあり得ません。

 

これは「声楽の発声とポップスの発声が違うから」という問題ではありません。

声楽家だって、ポップス歌手だって同じ人間です。

もしも本当にそのエッジボイスで、声帯周りの筋肉が鍛えられて良い声が出せるようになるのであれば、当然声楽家だってそのようなメソッドを取り入れるはずです。

 

なのに何故誰もそのようなメソッドを取り入れようとしないか?

それは意味が無いからです。

 

※声楽について詳しく無い方も多いと思うので、ご説明させて頂きますが、声楽家は二千人のホールでオーケストラと一緒に歌うのが仕事です。

もちろんこの時にマイクは使いません。

なので声楽家は、響く声強い声、それでいて壊さない喉を作る為に皆必死に訓練を行っています。

どうぞご理解ください。

 

発声に必要な筋肉は、正しい発声を心掛ける事で自然と身につくもの

『【ボイトレ】声帯を鍛える事は不可能【正しい筋肉の鍛え方】』でも申し上げましたが、私が何を言いたいかと言うと「喉を意識しながら練習をしても喉を消耗させるだけだからやめましょう」という事です。

発声に必要な筋肉を鍛えたいのであれば、正しい呼吸正しい発声を覚える事で自然と鍛えられるようになります。

むしろ本当に声を育てたいのであれば、そうするべきです。

 

「筋肉を鍛えよう」という考えは捨てて、技術を磨く事に専念しよう

ご質問で頂いたエッジボイスに関しても、それで筋肉を鍛える事は決して良い練習ではありません。

筋肉が鍛えられるか、鍛えられないかは別として、その練習では、どんどん喉が締まってきてしまうので、上手くなる所か、声と体が分離して、歌声も不安定になってくるでしょう。

 

いつも申し上げておりますが、歌が本当に上手くなりたいのであれば、基礎をしっかり磨き、技術を磨く事が大切です。

技術とは、正しい息を吸えるようにする事、声をお腹で支えられるようにする事、喉を開けながら低音域から高音域まで発声出来るようにする事、軟口蓋を上げて歌えるようにする事などです。

 

支えに関する具体的な説明はこちら

【ボイトレ】支えの技術を徹底解説【声を体で支える方法】

2016年7月8日

喉を開ける感覚に関する説明はこちら

【ボイトレ】喉を開けて歌う方法【具体的な技術の説明】

2016年10月3日

軟口蓋を上げて歌う為の具体的な説明はこちら

【ボイトレ】軟口蓋を上げて鼻腔共鳴を手に入れよう【喉声を改善する方法】

2016年7月16日

 

輪状甲状筋と閉鎖筋を鍛えて、歌の上達を目指そうという考えは、とても安易な考えです。

楽して上手くなろうという考えでは絶対に上手くなりません。

しっかり技術を磨くように努めましょう。

 

まとめ

「喉の筋肉を鍛えて上手くなろう」という考えは今すぐ捨てよう

もう一度言いますが、歌に必要な筋肉は、正しい発声を心掛ける事で自然と付くものです。

変な練習をしてたら、無駄に喉を消耗させるだけですよ!

 

LEE




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